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「業者テストによって出た偏差値によって、私立高校に早めに内定を出してもらう」という慣例をなくそうとしたのです。
この慣例はあくまでも、「早めに進学先を決めたい」という人のためのものであって、受験の自由がなくなるわけではなかったのです。
先生が推薦してくれた学校が自分の希望に沿わなかった場合は、自分で学校を選んで受験することが充分に可能でした。
すなわち、以前は、早めに内定をとるか、二月や二一月に受験をするか、この二つの方法から選ぶことができたのです。
ところが現在では、全員が二月や三月に受験をするという形式になりました。
選択の幅が狭士ふったわけです。
こうした偏差値の追放については、「中学三年の二学期や三学期になってから、学力がぐんぐん伸びる子もいるので、偏差値によって早めに進学先を決めてしまうのではなく、最後まであきらめずに勉強をして、入試に向けた努力をすべきだ」という賛成意見があります。
ただ、そうであるならば、現在の都立高校が行なっている「内申書による区分け」も廃止すべきだと思います。
なぜなら、内申書の成績には中学一年のときからの成績が反映しているので、中三になってから受けた業者テストの偏差値よりも、学力測定としてはかなり前倒しになっているからです。
内申書の成績によって、中三の二学期には、受験できる都立高校が、事実上、決まってしまうにもかかわらず、業者テストの偏差値だけを悪者扱いするというのは、まことに奇妙な話です。
S県教育委員会の教育長だったT・Kという人が、『なぜ私は業者テストをやめさせたのか』という本を書いています。
この本のなかでT氏は、「進路指導というものは専門知識を非常に必要としている。
現在では、一クラス四十人の生徒が、のべ百校を志望しているが、百校もの高校の特徴をそれぞれ調べて、『この子にはどの学校が合うか』「学力的についていけるか』というようなことを、一人の教師が判定するのは不可能である」と、学校の進路指導の現状を正直に書いています。
進路指導をしてくれた先生が、進路指導のプロともいうべき優秀な先生だった場合には、子供は幸福です。
学校によっては、たとえば新米の教師が進路指導にあたる場合もあります。
高校について何も知らない先生に進路指導をしてもらった場合には、取り返しのつかないことが起こる可能性がきわめて高く、実際、日常的に起こっていることなのだ。
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